笑の大学

1998年【日】(初演1996年)
向坂/西村雅彦
椿/近藤芳正

2005/05/27の日記に書いた映画の舞台版DVDがTSUTAYAで売っていたので買ってきました。

  • 感想

まずはじめに断っておきますが、映画と舞台は別物です。
悲劇的な終わり方をした映画と違い、舞台はさらにその先にオチをつけて、みごと喜劇として成立させています。
映画の方で、「笑って、笑って、笑い転げて、そして最後に泣いて終わる」と書きましたが、舞台は「笑って、笑って、笑い転げて、泣いた後にもう一度笑って終わる」という感じです。
個人的には映画版の雰囲気が好きです。
でも喜劇として割り切るなら舞台版の方が断然おもしろいです。
基本的に同じシナリオなのに演じている役者さんが違うというだけで向坂と椿のイメージもだいぶと変わってきます。
役所・向坂は真面目で実直そうですが、西村・向坂は屈折してひねくれた感じです。
稲垣・椿は浮世離れしてどこかすっとぼけた感じですが、近藤・椿は真面目で不器用そうな感じです。
なので同じセリフでも笑いどころが変わってきます。
映画版で私の好きな「チュー」のシーンは稲垣・椿のアップの顔で笑うんですけど、舞台版では西村・向坂のおかげで「おでこにチュー」のところで笑いました。
また舞台版には向坂の鳥の話など映画版ではカットされたエピソードがいくつかあります。
鳥の話はともかく椿がなぜ笑いに執着するのか語るエピソードは残してほしかったです。
舞台版はどうしても印象が強いので、先に舞台版を見ているとそれに引きずられてしまい映画版がつまらなくなる恐れがあります。
同じ話でも違うものだと割り切って見ることをおすすめします。