目撃者のスマートな消し方

今日は「ホリスター将軍のコレクション」です。
陸軍の英雄だったホリスター将軍は現在、退役して会社の経営者として活躍しているが、その裏では軍とのダットン大佐との癒着があった。
しかし軍の査察が入ることになり、大佐はほとぼりが冷めるまで身を隠すので将軍にもそうするように忠告をしに来る。
しかし、大佐の臆病ぶりを不安に感じた将軍は、その場で大佐を銃殺する。
ところが、ヨットで海に出ていたヘレンがその現場を目撃してしまい警察へ通報してしまう。
しかしヘレンの位置からでは、人相まではわからず「ガウンの男が軍服の男を銃で撃った」ことしかわからず、通報を受けて将軍の家を訪ねたコロンボも、最初は死体も凶器も見つからなかったと取り合わなかった。
そして将軍はヘレンに近づき、彼女の目撃したものは錯覚だと言って聞かせる。
今回の話で不思議だったのが、あのコロンボが最初、将軍の無茶苦茶な話を信じて、ヘレンの目撃談を酒でも飲んでて見間違えたんじゃないかと取り合わなかったことです。
なにしろ将軍の話というのが、「荷物を整理している時に昔の軍服が出てきたので着替えてみた。だからガウンの男も軍服の男も自分」とか「練習用の銃が出てきたので久しぶりに構えてみたら、箱に躓いて転んでしまった。それが銃を撃って倒れたように見えた」とか、いくらなんでもそれはないですよねぇ。
代わりに秀逸なのは、この犯人が目撃者を殺すのではなく、精神状態の不安定な彼女をうまく言いくるめて、目撃そのものを錯覚だったと思わせようとしたことです。
目撃者は殺されるのが定番ですが、殺さずにこんな形で証言能力を奪おうというのは珍しいです。
このヘレンさん、若いけどバツイチで、もう老人だけどダンディーな将軍にいいようにたぶらかされて、もうメロメロ(死語)
最後に自分の男を見る目のなさを嘆いてコロンボに慰められますが、今度はコロンボに惚れてしまわないか心配です。