虚々実々

ほうかごのロケッティア (ガガガ文庫)

ほうかごのロケッティア (ガガガ文庫)

南海の孤島イトカ島(一応東京都)
島で下宿して私立イトカ島学園高校に通う褐葉貴人は、中学時代に重度の中二病で、覆面アイドルのクドリャフカにおもいっきり電波なはがきを送り続け、それが元でクドリャフカは引退してしまうという事件を起こしていたのだ。
心機一転、島でまともな高校生として出直した貴人だったが、彼の前に美少女転校生・久遠かぐやが現れた。
彼女こそ貴人に歌手生命を断たれたクドリャフカだったのだ。
かぐやは貴人が送ってきたハガキをネタにあることに協力するように脅してきたのだ。
その内容とは、彼女の持つ携帯が宇宙人で、彼を宇宙に帰すためにロケットを打ち上げろと言うものだった。
自分のせいで逆に電波な人になってしまったかぐやを見て自責の念にかられる貴人。
最初は偶然、知り合った都立イトカ実業高校ロケット部の郡、五反田、千住を焚きつけてロケットを作らせることで罪滅ぼしをしようとする貴人だったが、いつのまにか自身もロケットの魅力に囚われて……

一瞬、田中ロミオの「AURA」的展開に驚かされましたが、タイトルに嘘偽りはありませんでした。
ちゃんと高校生達が、がんばってロケットを打ち上げる青春モノです。
ただ主人公が元中二病でけっこうヘビィな設定を持っているので、その辺が許容出来るかどうか。
最後はみんなハッピーエンドで、その後の彼らの成長ぶり(?)が見られます。